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「ゆきひかり・ぽんせん」が人気
専門家の目
3大食物アレルギーは「牛乳、卵、大豆」と言われてきましたが、近年は大豆より小麦や米の患者さんが増えています。子供にとって、おやつはやはり欠かせないものです。今回の製品化は大変喜ばしいものだと思います。(旭川市・道北勤医協1条クリニックの高橋幸枝先生=53)
「ゆきひかり・ぽんせん」が人気/アレルギーの子供でもOK
食物アレルギーの子どもたちを助けたい ―― 。そんなボランティア精神から生まれた道産米使用の焼き菓子「ゆきひかり・ぽんせん」が、旭川市内で爆発的な人気を集めている。1月上旬から発売され、現在は生産が追いつかないほどのヒット商品になった。企画・開発したのは、同市の道北調剤薬局(1条通25)に勤務する佐藤公寿・営業本部長(41)。製品化までに3年も要した奮闘ぶりに迫った。
開発を手がけた道北調剤薬局の佐藤さん
「ぽんせん」は旭川・西神楽の市川農場で栽培され、1週間に約700袋の注文がきている。糖分やタンパク質を除いたゆきひかりが主原料。円形に焼き上げ、天然塩だけで味付けされている。同社営業部の植田千保美さん(42)は「原料が到着せず、生産が追いつかないことがあるんです」とうれしい悲鳴を上げている。
糖尿病患者の調剤などを扱ってきた佐藤本部長が、商品開発に踏み切るきっかけとなったのは3年前。旭川市役所職員から食物アレルギーに対応した商品販売を依頼された。「知識のない分野で戸惑ったが、アレルギーに悩む子どもや親がたくさんいることが分かり、何とかしてあげたいと思った」と話す。
毎日深夜まで、独学で食品のレシピづくりに励んだ。これまで作成したレシピはA4判70ページにも。だが、製造工程に手間がかかるだけでなく、食べ切りサイズ(18グラム)、安価とこだわったため、請負会社は見つからなかった。2年間で道内1000社以上に持ち掛けたが、採算が取れないなどの理由で断られた。何度も挫折しかけた。
「複数の子どもがいる家庭で、1人の子が市販のスナック菓子を食べる、でも、アレルギーの子は食べられない」。そんな場面を数多く見てきた佐藤本部長の切ない思いは昨年6月、インターネットを通じてアプローチしたニッポー・青木邦四郎社長(69)の胸を打った。「素人とは思えないレシピで熱意が伝わってきた。利益が少なく、失敗する可能性もあったが、社運をかけてみようと」。
佐藤本部長、市川農場、ニッポーが三位一体となり、今後はゆきひかりの干めん、チョコレートなどの製品化も検討している。「将来はアレルギーを持つ子や親が安心して楽しめる喫茶店やレストランなどもつくりたい」。佐藤本部長の夢は簡単に尽きない。
◆「ぽんせん」とは
せんべいの略語でぽん菓子、関東圏では「ぽんぽんせんべい」とも呼ばれる。菓子を製造する穀類膨張機は第1次世界大戦後にドイツで考案され、日本では第2次大戦中に配給されていたアワなどの雑穀加工法としてポン菓子機を利用したのが始まり。同機の老舗で東京・品川区の吉村式穀類膨張機の吉村文明社長(54)は「上ぶたと下ぶたが0.5ミリ程度しか変わらない鉄製の皿にスプーン1杯ほどの穀物を載せて挟む。米は乾燥状態でも14%ほどの水分があり、一気に加熱することで水蒸気になり、固まったものがせんべいや菓子になる」と説明している。