ゆきさやか会議議案農林水産省で公開された「ゆきさやか」産地品種銘柄の会議議事録

この議案が農水省に承認され「ゆきさやか」が
産地品種銘柄として北海道で栽培出来る様になりました。

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    ①「水稲うるちもみ」並びに「水稲うるち玄米」

    「ゆきさやか」の選択銘柄設定

    申請理由:有限会社農業生産法人市川農場「市川」氏
    育種経過等:北海道農業研究センター「梶」氏
    銘柄鑑定:北海道米麦改良協会「樋口」氏

    ◎有限会社農業生産法人市川農場 代表取締役 市川 範之より説明

    市川農場の市川と申します。申請理由を説明させていただきます。
    ゆきさやかは適度な粘りと低タンパクで白いごはんになる極良食味米として北海道農業研究センターで2010年に育成された品種です。
    北海道の優良品種には採用されておりませんが、北農研の種子の配付している状況から推察すると、 様式1の表にあるように平成27年度で約30haの普及が道内各地で進んでいます。 そういった中、市川農場では3年間栽培してきたが、収量では3年間の統計で1反当たり10. 3俵収穫しており、 耐冷性に優れ安定した収量が見込める品種です。
    味の特徴としては、粘りの成分であるアミロースが約16%で粘り過ぎず食味バランスが非常に良いと実感している。 アミロースのバランスが丁度いいので、ごはん単体でもおいしいし、万人向けの極良食味米ではないかと思う。
    これまでの北海道における低アミロース米の弱点は、気象・気候によって、栽培地区によってアミロースの変動があったのが現状であった。
    ゆきさやかは気象変動があってもアミロースに大きな変化は無く、味も安定している。
    ゆめぴりか以上に評価が高くなる可能性があるのではないか。
    市川農場では平成28年度の作付けに向けて北農研と許諾契約を結んでおり、種子を購入して2ha作付と販売を予定している。 この品種を登録することにより、北海道米の層の厚さが更に高くなり、今後TPPに対抗すべく直販してる意欲的な生産者にも独自の差別化を図ることができ、ブランド価値が高まる品種になると確信している。
    北海道の稲作農業の更なる発展のために、ゆきさやかの産地品種銘柄としての申請をします。

    ◎一般社団法人北海道米麦改良協会 樋口技監より説明

    北海道米麦改良協会の樋口です。よろしくお願いします。
    ゆきさやかは、粒形は長さは中、幅は中、形は半円ということで、ななつぼしに比べて長く、ほしのゆめに比べて幅も長さもやや大きい形状をしていると判断した。
    色沢はゆめぴりかのような極端な白濁は見られない。 皮部の厚薄は他の品種と同程度。
    心白・腹白の発現の程度は供された試料をを見るとななつぼし・ほしのゆめと同程度。
    縦溝の深浅はやや浅いと記載してあるが、ほしのゆめの豊満なものと比べるとやや縦溝が見えるがそれ程目に付くものではない。
    胚の大小及び胚の形は他の品種と同程度で、特に大きいものではない。
    千粒重は試験結果をそのまま使わせていただいたが、22.5gと発表されていて、きらら397の22gとほぼ同じ、ななつぼし、ほしのゆめよりは粒重はやや重い。
    その他の特徴として北農研からもあったが、主要品種に比べると若干薄茶米の混入があると判断している。

    司会は、「ゆきさやか」について出席者から意見を求めた。

    司会 :種子の供給について、教えていただきたい。 作付け希望者がでたときにどうするか。

    梶 :平成27年産までについては、30haということもあり、積極的に種子販売をしているところはない。
    法人 (市川農場やJA)と許諾契約を結び、元種を出し、そちらで種子を生産していただき、その種を栽培に使う。 個人農家で試作をしてみたいという方には、その農家の地域の農協や普及センターの方にゆきさやかを栽培したい旨を申し出ていただき葉鞘褐変の問題がある地域ではできないかもしれないが、そこをクリアした後にこちらへ申し出ていただければ、 第三者への提供はしないとの念書がある上で供給してきている。
    今後面積が広がるようなことがあれ販売を専門に行うところがあれば、こちらから紹介していくことを考えている。

    司会 :即座に大量にということではなく、徐々にということか。

    梶 :おっしゃるとおり、当面爆発的に増えるということはない。

    市川 :葉鞘褐変について話があったが、当農場の3年間のデータでは発生はない。
    上川地域では大丈夫だと思うが、どういった地域で葉鞘褐変がでているのか。

    梶 :市川さんのところは大丈夫だが、当時の試験結果では蘭越の方の地区で発生があり、適さないのではないか。上川では発生の報告はない。

    司会 :全道で30haということだが、販売面は単独で行っているのか。集荷しているところはないか。

    梶: 今のところ産地品種銘柄ではないので、生産者個々が独自の名前をつけて、またはその他米として販売している。

    市川 :取引先である業者等から、是非産地品種銘柄にしてほしいという要望がある。
    もちろん種の量を沢山普及させるというのもひとつの例だと思うが、北海道米の層の厚さやブランド価値を高めるという面もある。

    司会 :今年のゆきさやかの検査等級はどうだったか。

    市川 :今年は1等米ということで、着色粒もなくすごく綺麗なお米ができた。特に問題はない。
    葉鞘褐変の話は初めて聞いて当農場で発生はないので意外に感じた。
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